パリSGようやく首位奪取。フランスリーグ大混戦の理由

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atushi
  • photo by Panoramic/AFLO

 開幕前、多くの人がパリ・サンジェルマン(PSG)の独走優勝を予想していた今シーズンのフランス1部リーグ、リーグアン。だがいざ蓋を開けてみると、良い意味でその予想は覆され、近年稀に見る大混戦の様相を呈している。

 第30節を終えた現時点で首位に立つのは、ここまで勝ち点59ポイントを稼いでいるPSGだが、2位リヨンとの勝ち点差はわずかに1ポイント。また、3位には勝ち点2ポイント差でマルセイユが、4位には1試合消化の少ないモナコが6ポイント差で迫っている。モナコが4月7日に延期されたモンペリエ戦に勝利すれば、首位PSGと4位モナコの勝ち点差も3ポイントになる計算だ。

今季前半の不振から調子を取り戻したイブラヒモビッチ(PSG)今季前半の不振から調子を取り戻したイブラヒモビッチ(PSG) クラブの財政規模、保有戦力、経験など、あらゆる要素でPSGが他を圧倒しているはずのリーグアンがまさかここまでもつれるとは――。しかしながら、これまでを振り返ってみると、そこにはいくつかの要因が浮かび上がってくる。

 まずひとつは、2連覇中の王者PSGの序盤戦における大不振が挙げられる。PSGがスロースターターなのは例年のことだが、それにしても今シーズンのスタートはひど過ぎた。開幕から2ヵ月間で消化した計8試合のうち、勝利したのは3試合のみ。残り5試合ではすべてドローを演じ、しかも第6節のリヨン戦以外は、確実に勝ち点3を手にしなければいけない格下チームが相手だったのだ。

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