香川真司待望のゴール。それでも重苦しいムードが漂う理由
香川が淡々とした様子なのは、チーム状態がけっして良いとはいえないこともあるのだろう。この日もドルトムントの多くの選手が取材対応を断ってスタジアムを後にした。むしろ勝利した後とは思えない、重苦しいムードが漂っていた。
ハノーファーはこの試合前まで9戦勝ちなし。じわじわと順位を下げていた。コルクト監督の去就にも注目が集まるほど不振の相手に、試合内容としては上回られたのだ。
「すごく苦しみましたし、相手もフィジカルですごくハードワークしてくるチームで、セカンドボールだったり球際で前半は優位に立たれていたので、押し込まれる時間帯が多かった。彼らもホームで負けたらというプレッシャーがすごくかかっていたと思うので、アグレッシブに来ていた。後半も相手は予想以上に来てましたが、その中で退場者が出たことでスペースが生まれた。自分たちがそのスペースを生かして2点、3点と取れたことはよかったですけど......。まあ、相手が10人になったことがすごく大きかったです」
プレッシャーをかけて速い攻撃。高い位置で奪ってショートカウンター。そんな本来ドルトムントがやりたいサッカーをハノーファーは見せた。そのプレスの目をかいくぐれないのがドルトムントの現状だ。
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