CLドルトムント敗退。強がるクロップと見えない未来 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 試合後の記者会見。実は会見のやり方がブンデスリーガとCLでは少々違っている。ブンデスではホームチームの広報などを司会に、両チーム監督が並んで登壇するのだ。ふたりは対戦相手に多少気を遣い、自然と友好的なムードで話すことになる。会見の前後には握手やハグのシーンを撮影されるからにこやかである必要もある。だがCLでは監督はひとりひとり登壇する。相手の目を気にすることなく落ち着いて話をすることができる。

 この日、先に登壇したのは、ユベントスのアレグリ監督だった。感情をあらわにすることもなく淡々とした様子だったが、自信に満ちた言葉でチームを称えた。

「我々は強さを証明した。技術的、身体的にそれを選手たちは証明してみせたのだ。我々はグループリーグのあと、チームを発展させて来た。今後はバルサ、レアル、PSG、バイエルンという"マジカル4"に直面することになる。今、私はとても満足しているが、あとふたつ勝ち上がりたいと思っている」

 続いて登壇したドルトムントのクロップ監督も淡々としていたが、質問には時折り、自虐的な笑みを見せた。

「今日の戦いは完全に、敗退に値する。それは大きな問題ではなくて、他のチームもこのラウンドで敗退する。私たちはブンデスリーガとドイツ杯に集中できることになったから、敗退はそれほど大きな痛手ではない。今夜明らかになったことがあるとすれば、我々は今季のCLの舞台に残るに値しない、ということだ」

 完敗を認めたクロップは続けた。

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