本田圭佑とアバーテ。ミランの右サイドは復活するのか (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 フィオレンティーナ戦はミランにとって非常に重要な試合だった。ヨーロッパリーグ(EL)出場権という目標に向けて、ラストスパートをかけなければいけないミランの最初の難関だ。その試合で80分間ピッチに残れたことは、本田にとって悪いことではなかったろう。

 ミランは後半すぐに奪ったデストロのゴールをよく守っていた。しかし終盤に近づくにつれ、あまりにも守備のラインが自陣ゴールに近づきすぎてしまい、そのことがフィオレンティーナに力を与えてしまった。フィオレンティーナは3日前にELの試合があったばかりで、明らかに体力的な疲れが見えたが、我慢強く反撃のチャンスをうかがっていた。そして同点にしたのを機にチームを立て直し、最後には逆転をしてしまったのだ。

 ついに勝利を手にできると思っていたミランだが、先週にひき続きまたも土壇場で失点してしまった。本田も期待されたアバーテとの連係プレイはあまり発揮することができなかったが、それでも本田がピッチにいた間はミランは常にリードしていた。本田の交代とほぼ時を同じくしてミランの夢は崩れ去ってしまった。試合時間が80分だったなら――というのが多くのミラニスタの率直な気持ちだったろう。しかし残念ながらサッカーのルールは90分と決まっている。

 最後の10分間でミランは天国から地獄に突き落とされた形となってしまった。現在5位のフィオレンティーナに勝利していたなら、ミランもここで一息つけたはずなのだが、それもできなくなってしまった。

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