ドルトムントと香川真司の壁。なぜ下位チームを崩せないのか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

「ハンブルガーSV戦の低パフォーマンスにもかかわらず先発入り。奇をてらったが効果はなし。彼のプレッシングに相手のSBは揺るがなかった。出場して1時間後の交代は、遅すぎ」

 ケルンはポゼッションを放棄し、2トップのスピードでカウンターをしかけるのみ。ドルトムントは約63%のボール支配率をあげ、平均走行距離も11.4キロと、ケルンの9.3キロを大きく上回っている。それでも勝利を確信できるような瞬間はほとんどなかった。香川が語る。

「なかなか噛み合ってなかったかなと思いますし、得点のにおいを感じる瞬間はなかった。あれだけ守られた時にどう崩すのか。もう少しシンプルに攻めたり、あとは連動性だったり、(引いた相手を崩しきれないのには)いろいろな要素が噛み合ってないのがあると思います」
 
 とはいえ、相手にとってドルトムント戦で引いて守るのは常套手段だ。それを崩すか、崩さないにしても何とかこじ開けて来たのが昨季までのドルトムントだったことを思うと、寂しい結果である。前線にオーバメヤン、ロイス、ミキタリアンと、スピードがあり質の高い選手が揃うのだから、少々割り切ってゴールを狙う戦術も必要なのではないか。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る