CL圧勝も予定通り。バイエルンとグアルディオラに死角なし (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 だが拮抗した勝負は、第2戦の開始3分で壊れた。CL史上最速の退場だった。シャフタールのDFがバイエルンのMFゲッツェのドリブルをたまらずファウルで止めたものだが、「厳しすぎる判定」とドイツメディアでさえ批判するものだった。

 バイエルンの選手たちも相手を気遣った。「退場とPKはとても決定的だった」とMFシュバインシュタイガーが言えば、「11対11であれば試合結果は少し違ったものになっただろう」とGKノイヤーも語る。だが指揮官グアルディオラは「試合は3分の退場劇で終わったのではなく90分で終わったのだ」と言い放った。

 そのPKをFWミュラーが難なく決めて1−0とし、相手は10人に。そこからはもうバイエルンの独壇場となった。

 数字はあらゆる点でバイエルンがシャフタールを上回ったことを示している。ポゼッションの66%対34%はおなじみの状況だ。パス本数は636本対172本。恐ろしいのはその成功率が93%と異様に高いことだ。成功したパスが591本もあるのだ。そしてシュート数は25対4。一方的なゲームであったことは明らかだ。

 試合後のグアルディオラは「完全に支配できた」と満足そうだった。

「5人のフォワードをプレイさせたのは監督のキャリアで初めてのことだ。第1戦では相手の守備に対し多くの問題が露呈したから、ロッベン、リベリー、ミュラー、レバンドフスキーを中央でプレイさせたのだ」

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