CL圧勝も予定通り。バイエルンとグアルディオラに死角なし

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2戦。ドラマティックな結果が待ち受けていたチェルシー対パリ・サンジェルマン戦(2-2。2戦合計3-3で、アウェーゴール数によりパリ・サンジェルマンがベスト8進出)とは違い、バイエルン対シャフタール・ドネツクは7-0と一方的な圧勝劇となった。第2戦をホームで戦うバイエルンの突破はかなり濃厚だと思われてはいたが、まるでブンデスで下位チームを叩きのめすかのような大量得点。どこか白けてしまう結果になった。

シャフタールに圧勝し観客に応えるバイエルンの選手たちシャフタールに圧勝し観客に応えるバイエルンの選手たち 第1戦はシャフタールの大健闘により、0−0で折り返すこととなった。周知の通り、ウクライナの国内情勢は困難を極めている。シャフタールの本拠地であるドネツクはウクライナ東部に位置するもっとも不安定な地域であり、スタジアムが破壊されるなど、地元での活動ができなくなっている。

 2012年のユーロでは多くの人がドネツクを訪れだが、ホームのドンバスアレーナは、街の中心に位置する実に美しいスタジアムだった。だが現在は爆撃を受けたとされ、使用ができなくなった。チームは拠点を首都キエフに移し、ホームで戦うべきバイエルンとの第1戦はドネツクから1000キロ以上西に離れたリヴィウで行なった。

 また、ドネツクはロシア語を主に話す地域であり、リヴィウはウクライナ語を話す地域だ。距離的な乖離だけでなく、言葉も文化も全く違う地域でホーム戦とするのはかなり気の毒な事態だった。そんな中でバイエルンから得た勝ち点1は貴重なものだった。

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