CLでレアルに敗退。シャルケ内田篤人が吐露した悔い

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 レアルとの決勝トーナメント1回戦第2戦、シャルケは4-3で勝利した。だが2戦合計は4-5。突破したのはレアルだった。結果だけを求めたレアルにとっては何の問題もない。シャルケの勝利は大きな意味を持つものではない。

 だが不調のレアルに対してシャルケはよく戦った。レアルを研究しつくし、リズムに乗らせず、自分たちは諦めずに攻め込んだ。サポーターの声援を受けて生き生きと戦う味方を、内田は80分過ぎまでベンチで見つめた。

「嘘でもできるって言っておけばよかったかな……」と、内田はささやかな後悔を口にした。

 レアルは先週末のリーグ戦でビルバオに敗れて首位陥落。シャルケに敗れたことでCLでの連勝は10で止まり、ホームでの連勝も12で止まった。だが、それでもあと1点を奪うのは至難の技だった。

「どうやったら勝てるのか。結局上にいったのはレアルだから。そういうチームってすごいよね……」

 点差以上の力の差に、言葉が出なかった。内田にとって今季のCLは終わった。負傷で全く出場できなかった昨シーズンよりはましかもしれないが、やはり不本意な終わり方だったはずだ。来季、納得のいく形でこの舞台に帰ってくるために、今、なにより必要なのは、自身の故障とあらためて向き合うことではないだろうか。

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