誰がミランに必要か。インザーギと本田圭佑の正念場

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(23)

「とにかく今はベローナ戦の最後の40秒間を忘れ、ヨーロッパリーグという目標を手に入れるため12回の決勝を戦うのだ」

 これはあと一歩というところで勝利を逃してしまったミランに対するガッリアーニ副会長の厳命である。土曜日の夜、ホームのサンシーロでベローナを迎えたミランは二度もリードしながら、最終的にはロスタイムに同点に追いつかれてしまった(結果は2-2)。もしこの試合に勝利していたならば、ミランは7位に浮上し(現在は10位)、ひと息つくこともできたのだが、95分目でのちょっとした気の緩みが、結局はとんでもなく高いものについてしまったのだ。

ベローナ戦、後半途中出場だった本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)ベローナ戦、後半途中出場だった本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) ちなみにベローナの同点弾を決めたアルゼンチン人ストライカー、ニコ・ロペスは、昨シーズン、ウディネーゼの一員としてミランゴールにシュート。ミランをコッパ・イタリア敗退に追いやってもいる。

 こうしてスーペルピッポ・インザーギにはまた新たな悪夢が襲いかかってきた。ミラニスタたちは彼にブーイングの雨を降らすのを躊躇(ちゅうちょ)することはなかった。ほんの3シーズン前までは、彼らのアイドルであったというのに......。

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