今週末がラストチャンス!?大物OBが語る「本田のミラン寿命」 (2ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 また、クラブの財力が著しく低下している今、もっとも重視されるべきマーケティング部門のトップとして、着実に成果をあげていたラウラ・マージも解雇された。そして、彼女が今どこで何をしているかといえば、ドイツのバイエルンで手腕を発揮している。

 もちろん、監督についても同様のことが言える。昨シーズン、バルバラ・ベルルスコーニ(現CEO。オーナーのシルビオ・ベルルスコーニの娘)はアッレグリ監督の首を飛ばしたが、その監督が今どこで何をしているかといえば、今季のユベントスを率いて首位を独走している。

 これだけ言えば"ミラン弱体化の理由"は、誰にだって理解できるのではないか」

 ちなみに、10年に渡りミランのマーケティング部門に籍を置いていたマッサーロもまた、つい先ごろバルバラによってその職を追われている。
 
 一方、チーム全体が轟々たる非難の嵐にさらされるなか、元ミランの主将フランコ・バレージ(77-97に所属)は、現在の批判および悲観論とはやや異なる見解を示した。

 その見方とはこうである。
 
「確かに現状は厳しい。ファンのみならずメディアの多くが痛烈な批判を寄せるのも理解できる。むしろ当然というべきだ。しかし、この混乱のなかで、クラブ内外を問わず大半の者が忘れていることがある。それは、昨季から続くこの種の混迷が、ミランにとって初めての経験ではないということだ。

 今から約20年前。ミランは、96-97シーズンは11位、翌97-98シーズンも10位で終えていた。私が主将として経験していたからこそ鮮明に記憶しているのだが、その頃のミランは、今の比ではないほどの非難にさらされていた。

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