オランダでコーチとなった藤田俊哉「俺はここでトップを目指す」 (3ページ目)

  • 中田徹●文・写真 text & photo by Nakata Toru

「クラブ側としたら、俺が来たら、大津を育てるみたいに思っちゃうじゃん。でも、大津だって俺のことを専属コーチだなんて思えないだろうし、俺だって思ってなかった。チームの中に選手ひとりだけの専属コーチなんて、置くほうが不自然でしょ。俺からすると、コーチとしてフェンロに来て、たまたま彼がいた。そうは見ない人に対して、笑ってやり過ごさなきゃいけない場面もあったけど、本当に俺が大津しか見てなかったら、彼が日本に帰ったとき、『今のコーチングスタッフにお前はいらない』ってなるはず……。でも、俺が今もフェンロにいるということは、コーチングスタッフとの関係性が構築できていると、自分でも感じ始めている。俺なりの何かがフェンロでできているってことかな」
 
 藤田にとって、ジュビロ磐田の指揮を執ったハンス・オフトが初めてのオランダ人指導者だった。以降、セフ・フェルホーセン(元名古屋監督)、ドワイト・ローデヴェーヘス(元名古屋コーチ、現ヘーレンフェーン監督)、フーケ・ボーイ(元ユトレヒト監督、現ゴー・アヘッド・イーグルス監督)、ジョン・ファン・ルーン(元ユトレヒトコーチ、現アゼルバイジャンサッカー協会)、ハン・ベルガー(元ユトレヒト・テクニカルディレクター、現オーストラリアサッカー協会)といった指導者からトレーニングを受けてきた。そして今、藤田はフェンロのユースからトップチームまで、各カテゴリーの練習をしっかり研究している。

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