本田圭佑はその闘志でミランを修復しようとしていた (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 この試合、ミランの調子がどうにか上がってきたのは、本田圭佑がピッチに入ったタイミングと重なる。本田はベンチスタートだったが、キャプテンのモントリーヴォが筋肉を痛めたこともあり、インザーギは後半から彼をピッチに送った。

 本田の闘志はすぐに見られた。ピッチに入って3分、本田は20メートルの位置からシュートを放ち、キエーボのGKを驚かせた。しかし残念ながらボールはゴールバーを叩き、得点には結びつかなかった。このシュートを名刺代わりに、本田はその後もミランのプレイの綻(ほころ)びを修復しようと努力したが、何かが足りなかった。

 オフ・ザ・ボールの時、チームはほとんど動かないし、誰かがボールを持ったとしても、パスを出せるようなノーマークの仲間を見つけることができない......。ゴール前でもなかなか突破口を見いだせず、ヨーロッパ()はまた遠くなった。

※ミランが目指しているヨーロッパリーグ出場権はリーグ戦5位以内に与えられる

 こんなチームに対し今ミラニスタは何をすべきか?

 不調を嘆き、ブーイングすることは簡単だ。しかし本当に必要なのは今こそ一致団結し、チームを支えることではないだろうか? 不協和音や非難は決してチームのためにはならない。同時に選手たちも自分たちの力を信じ、絶対に目標にたどり着くという堅い決意を持ってもらいたい。ミランはミランという名前にふさわしいチームに戻らなければならない。そのためには12月に見せていた謙虚さと強いパーソナリティーが必要だ。

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