ダービー完勝に自信。あの香川真司が戻ってきた (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Watanabe Koji

 今回のダービーは、そんな両者の直近の勢いをストレートに反映して、3-0でドルトムントが勝利を飾った。点差以上に圧倒的に差が開いたのはシュート数で、ドルトムントの31に対しシャルケはわずかに3だった。

 シャルケは前半の立ち上がりからドルトムントの勢いに押されていた。猛攻に耐えて迎えたハーフタイム、シャルケのロッカーは「沈んでいた」と、内田篤人が言う。

「監督が『どうした?』と言うくらい、みんな元気がなかった。0-0でオッケーと俺は思ったけど、内容的にもやられたからね......」

 一方のドルトムントが見せたのは「素晴らしいサッカー」と、香川真司は胸を張った。強かったドルトムントを思い起こさせる、ボールを奪いに行って速く攻めるサッカーが復活した。もしかすると今季の不振は、精神的なものにすぎなかったのではないかと思わせるほど、ダービーへの気合いが感じられた。

 つい先日まで精彩を欠いたDFフンメルスは、堅守を見せるだけでなく、縦への長いスルーパスをばんばん通す。香川は相手の中盤と最終ラインの間の絶妙なポジションでボールをキープし、前線にパスを出し続ける。前線のロイス、オーバメヤンには何度もゴールチャンスが訪れた。

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