CLで敗戦も、自信満々のアトレティコ・シメオネ監督 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 だが、蓋をあけてみればレバークーゼンが試合を支配した。唯一の得点が生まれたのは後半12分。2列目のベララビがゴール前にドリブルで入り、相手DFに囲まれながらシュートを選択、と思わせたところで右のMFチャルハノールにパスを出す。チャルハノールは角度のついたところからのシュートを落ち着いて決めた、というゴールシーンだった。

 アトレティコのシメオネ監督は「両チームに等しくチャンスがあった」と語るが、事実シュート数はレバークーゼン13に対してアトレティコ12。前半には2本の枠内シュートをレバークーゼンのGKレノがセーブするシーンもあった。それでも支配率はレバークーゼンが63%で、1対1での勝率も6割を越えた。

「彼らは彼らの戦いをした。それは我々のスタイルととても似ている」とシメオネが言うように、両チームともにカウンターを主体とするサッカーを展開したが、分はレバークーゼンにあった。

 レバークーゼンはシュミット監督が標榜する、速い攻撃サッカーをこの試合でも披露した。FWドルミッチが前線でカウンターの起点になり、そこに2列目のチャルハノール、ベララビ、ソン・フンミンが絡んでいく。ドリブルが巧みでスピードもある3人は、適度な距離感で動く。少し引いた位置に、攻撃をコントロールする役割のMFカストロがいて、中盤の底ではベンダーが体を張る。そのバランスが良く、奪ってからが速い攻撃で相手を脅かし続けた。

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