苦笑い。CLユベントス戦を香川真司が欠場した理由 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSHUFOTOGRAFIA

 その5分後、ドルトムントはラッキーな形で同点に追いつくことができた。DFシュメルツァーからのロングパスを、インモービレがヘディングで方向を変える。ユベントス最終ラインのキエッリーニが対応しようとしたが芝に足を取られ、クリアに失敗。このこぼれ玉を拾ったロイスがブッフォンとの1対1を冷静に制した。

 アウェーゴールの重要性を考えれば、これで終わればドルトムントにとっては上々の結果だったはずだ。だが、ドルトムントにとって誤算だったのは32分、右SBのピスチェクが負傷交代を余儀なくされたことだ。これにより右サイドの攻撃力を失っただけでなく、代わりに入ったギンターでは、バランスを取るだけで精一杯の状態になってしまう。

 ユベントスも37分にピルロが負傷で交代。要のピルロを失ったユベントスだが、43分には中央をテベスがドリブルで持ち上がり左のポグバに開く。ポグバのクロスをゴール前のモラタが決めて勝ち越しに成功した。

 後半は2-1のままスコアが動くことはなかった。ピルロを失ったことと、前半のうちに勝ち越したことで、ユベントスは守備的にシフト。ドルトムントは引いた相手を崩す展開という苦手パターンに陥り、打開することはできなかった。ユベントスも時折りテベスが個人技でチャンスを作るぐらいで、攻撃は単発に終わった。

 敗戦にもかからず、ドルトムントのクロップ監督は手応えをつかんだようだ。

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