ミランの新システムに本田圭佑は不要なのか

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 チェゼーナ戦の勝利はチームに新たな活気を与え、今シーズンの目標への決意を新たにさせた。残る最大の問題は、ファーストトップの選手がいつもチームと引き離されてしまっていることだろう。この試合でファーストトップは新加入したマッティア・デストロとジャンパオロ・パッツィーニ(セカンドトップはジェレミー・メネス)だったが、デストロは63分間プレイし、その間にボールに触れた回数はたった11回。初めてシュートを放ったのは後半に入ってからだった。

 パッツィーニに代わってからは少し状況が良くなった。パッツィーニは27分間で10回ボールにタッチ。終了間際には勝利を決定づけるPKも決めた。しかしこれらのデータはトップの選手が孤立してしまっていることを意味している。まあデストロの場合はまだ加入したばかりで、ミランのチームメイトとのプレイに馴染もうとしている途中であるから、今後変わっていくことは期待できる。また本田がトップ下に入ることで、この孤立の緩和にも手を貸せるのではないだろうか。

 明るい兆しは見えてきた。しかしミランが調子を取り戻すためにはまだまだ多くの練習を積んでいく必要があるだろう。これは図らずも本田自身が持つフィロソフィーと一致している。


オフィシャル誌編集長のミラン便り>

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