CLレアル戦。内田篤人「(ロナウドの)目だけ見ていた」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 5バックで試合に入ったシャルケは、レアルにこれといったチャンスを作らせることがなかった。中盤で回されこそするが、ゴール前には人数を割いて最終的には食い止めていた。だが26分、左サイドから何気なくパスがつながり、右SBのカルバハルがペナルティエリアの手前からゴール前にクロスを入れると、そこでフリーになったクリスティアーノ・ロナウドがヘディングで難なく決めてしまった。

 そのシーンを内田は「するするって。ぽんって」と、擬音語で表現するしかなかった。崩された実感もなく、決められた先制点だった。

 1点を追うシャルケにとって最大のチャンスは後半29分だった。中盤でMFボアテングがボールを持つとゴール前に走る内田に長いボールが出る。内田は中央に折り返すと、FWプラッテがシュート。これはバーに嫌われたが、今度は内田がこぼれ球につめて左足シュート。だがDFマルセロに体ごと防がれ、ボールはGKカシージャスがキャッチした。

「ケビン(・ボアテング)から良いボールが来るから、いつも狙っている。蹴れる選手がボールを持ったときは、行くようにしている。監督も『狙え』と言ってるから」

 絶好のチャンスにスタジアムは沸き立った。1点差を追いついて試合を終えることができるかもしれないという、期待感で溢れた。

 だが、そうはさせないのがレアルの強さだ。その5分後、あっさり追加点を決めた。そのシーンは内田とロナウドが1対1でマッチアップしたところから始まる。ロナウドはシザースで内田にフェイントをかけようとする。

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