フォロワー1000万人超。SNSの人気者C・ロナウド (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 ソーシャルメディアがすべてを変えた。フェイスブックでスポーツ・エンターテインメント部門を統括するグレン・ミラーは昨年秋、ベルリンで開かれた国際フットボールアリーナの「フットボールとソーシャルメディア」をテーマにした会議で、フェイスブックの13億人を超えるユーザーのうち約5億人が「熱心なフットボールファン」だと語った。

 ソーシャルメディアはフットボールファンにとって欠かせないものになった。とくに若いファンは、携帯電話で他のファンとやりとりしながら試合を見ることが少なくない(いわゆる「セカンドスクリーン」)。視聴行動を分析するニールセン社の2012年の数字では、スポーツはテレビ番組全体の1.3%を占めただけだったが、テレビ関連のツイートの41%はスポーツに関するものだった。

 フットボールに寄せる世界の関心の高さに、他のスポーツはまったくかなわない。グーグルによれば、2010年のワールドカップについての検索数は、ロンドン・オリンピック(2012年)とスーパーボウルとツール・ド・フランスの検索数の合計より多かった。昨年のワールドカップ・ブラジル大会も、テレビ視聴者数やインターネットのクリック数で測れば、史上最大のメディアイベントだったはずだ。この大会について目立った事例を、グーグルのリポート「グーグル・トレンズ」からいくつか拾ってみると──

●アルゼンチンのアンヘル・ディ・マリアが決勝トーナメント1回戦のスイス戦の延長で決勝ゴールを決めた直後、グーグルでは彼の名前の検索数が同じアルゼンチン人である法王フランシスコの4倍に及んだ。

●ベルギーのケビン・デ・ブライネが決勝トーナメント1回戦のアメリカ戦で先制ゴールを決めた直後、彼に顔が似ているイギリスのヘンリー王子の検索数が44倍増加した。

●グループリーグのドイツとの試合が始まってから、アメリカでは自国代表チームの検索数がすべてを追い抜き、断然トップになった。

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