ルイス・エンリケが率いる今季バルサの「3つの問題」 (3ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko
  • photo by Nakashima Daisuke

 こうした山積する課題の一方で、朗報もある。長年バルサのゴールマウスを守ってきたGKビクトル・バルデスが退団(移籍先未定)した問題は、もっとも心配されていたことだったが、クラウディオ・ブラボとテア・シュテーゲの予想以上の働きのおかげで解消されている。メンバーが固定されていないバルサのディフェンスの最後の砦として、このふたりの存在は大きい。

 また、今夏バルサから出ていく予定だったシャビが、ルイス・エンリケ監督の説得を受けて残留を決めたことも、クラブにとっては明るい材料だろう。

 クラブのOBであるルイス・エンリケのキャプテンシーには現役時代から定評がある。同じくバルサの選手から監督になったペップ・グアルディオラが「父」のような存在だったとすれば、ルイス・エンリケは頼りになる「長兄」のような存在といえるだろう。親に反発する子どもも、兄貴の言うことには素直に耳を傾けるものだ。

 とはいえ、バルサが2年連続でリーグ優勝を逃すことは許されない。

 現在、指摘されている問題点を今後、どのように乗り越えていくのか。チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦では、マンチェスター・シティとの対戦が決まった。ルイス・エンリケの本当の力量が問われる、バルサにとって試練はこれからである。

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