ダービー前、本田圭佑が長友佑都と繰り広げた前哨戦

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ただし私はインザーギの選択をリスペクトしたいと思う。彼は毎日ピッチで選手を見ており、常にチームにとって一番の方法をとっているはずだ。もちろん多くのファンが本田の登場を待っていたことも知っていたはずだが、インザーギはこれが一番有効と考えたのだ。本田を今シーズン初めてベンチスタートさせた理由をインザーギは「疲れが見えた」と説明している。

 とにかく先週のイタリアはダービー一色で、本田もかなりメディアに登場する機会が多かった。まずはミランの公式Twitterでのチャット、その後はイタリア最大のスポーツ紙ラ・ガゼッタ・デッロ・スポルトの長いインタビューも受けていた。

 Twitterではなんと長友とのチャットも実現。ダービー前の楽しいアンティパスト(前菜)となった。その一部をご紹介しよう。

長友:チャオ、ケイスケ、元気? いい練習してる?
本田:チャオ、ユウト、順調だよ。ミラン-インテルに向けて準備万端だ。
長友:元気そうで良かった! でも日曜はゴールするなよ。
本田:それならお前もゴールするなよ。今度時間があったらイタリア語教えてくれる?
長友:今だってイタリア語で助けてるし、お前もうまくなってるじゃないか。ところでひとつ提案があるんだけど、ダービーで負けたら髪を紫にしない?
本田:(断固として)絶対嫌だ。お前の言うことなぞ聞かん!

 思わず笑みがこぼれるような会話だったが、残念ながらピッチでふたりが直接絡むシーンはなかった。

 この一戦に勝利することはミラン、インテルどちらのチームにとっても、シーズンのターニングポイントになり得るチャンスであり、両チームともそれを狙っていた。しかし実際はどちらの益にもならないドローに終わった。

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