これぞ最先端のサッカー。ペップ・バイエルンを見逃すな (3ページ目)

  • 木崎伸也●取材・文 text by Kizaki Shinya
  • photo by Getty Images

「まだまだ選手たちは、私がイメージするものをピッチで表現しきっていない」

 ペップのこの言葉に偽りはないだろう。

 バルサ時代、ペップのサッカーはあまりにも緻密にパスをつなぐため、無機質な印象を与えてしまい、「つまらない」という意見も少なからずあった。しかし、今は違う。献身的なドイツのチームらしく、誰もが裏への飛び出しを愚直に繰り返し、ピッチにダイナミズムが溢れている。身長が高い選手が多いため、クロスをどんどん上げることもバルサとの違いだろう。緻密さは“ペップ・バルサ”の方が上だったかもしれないが、獰猛(どうもう)さでは“ペップ・バイエルン”の方が優っている。

『スポーツビルト』誌はバイエルンが新たなサッカーを見せ始めたことを受けて、「ペップの暗号を解け」という特集を組んだ。試合中のシステム変更、裏への仕掛けの連動、正確さと強引さの両立……。ペップの暗号は、まだしばらく解けなさそうである。

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