ドルトムントCL4連勝。香川真司に今、課されている役割

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 とはいえ、香川はゴールへの意欲を失ったわけではない。

「勇気を持って、打開しなきゃいけないですし、リスクをおかすことが自分に課されているのだと思います。勇気をもってリスクをおかしていけるかは、次の試合で試されると思います」

 99~00シーズン以来の5連敗という非常事態にも、クロップへの評価は高く、監督解任などという話は全く聞こえてこない。それでも勝っている時期には見られなかった類の報道が出てくる。今週、話題になったのは練習中にクロップが香川の胸ぐらをつかんでいるように見える写真だ。ビルト紙の有料電子版に掲載されたその写真は、多くの日本メディアも取り上げた。香川自身の目にも入った。本人が苦笑いしながら説明する。

「そもそもあの写真はバイエルン戦の前の練習ですし、戦術練習でどういう守備をするか(を説明する中でクロップが香川のユニフォームをつかんでいた)。うまくああいう形で写真を撮られましたけど、こういう時期だからこそ出る報道なんじゃないかなと思います」

 考えてみればこういった写真が出ること自体、ドルトムントの主力である証ではある。

 とはいえ、早々にこの状況を脱したいことは間違いない。CL1次リーグ突破を決めたことで、ドルトムントにとってはブンデスに集中できる状況が生まれた。週末は昨季2戦2敗のボルシアMGとホームで対戦する。

「次の試合は全てをかけていつも以上に戦わなきゃいけないですし、絶対ホームでサポーターに勝利をプレゼントしなきゃいけない。メングラ(ボルシアMG)もすごく調子が良くて手強い相手ですけど、ホームでやれるところをみせないと、また中断に入っちゃいますし、その前に必ず勝利したい」

 香川はドルトムントを救う存在にならなくてはならない。この日の盛大な拍手はそんな期待が込められていたようにも思えた。

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