新体制シャルケ。内田篤人「良い緊張感生まれている」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 だが、監督交代で状況が一変した。

「ディマッティオ監督は特別な戦術というわけでもなく、いたって普通。だけど、選手を競争させるのはうまいかもしれない。練習でも主力とサブと区別がつかないから、試合前のミーティングにならないと誰が出るか分からない。良い緊張感が生まれている」と、内田は説明する。

 2012~2013年シーズンの途中から就任したケラー前監督時代は、「慣れのようなものが生じたのは事実」と。内田も認める。新指揮官の就任は、少なくともレギュラー外の選手たちにとって大いなる刺激になった。

 そのオバジが前半34分に同点弾を挙げ、さらにその後交代するまで、2得点に絡むことになる。得点後ベンチに駆け寄り監督に抱きついたことをオバジ自身が語る。

「とてもパフォーマンスに満足している。僕にとって特別な試合になった。今週は監督が僕に何ができるか、僕のことをどう見ているかを話してくれた。彼が信じて使ってくれたことにとても感謝している。だからゴール後はベンチに直行したんだ」

 ディマッティオは記者会見でそんなオバジを称えた。

「オバジは私が来た当初から、練習でとても良いパフォーマンスを発揮して、前向きにトレーニングしていた。ピッチに立つべき選手だった」

 そもそも新監督は、自分の色を出すために、前監督と違うアプローチを試みるものだ。この試合ではそれがはまったが、今後の戦いに関しては長い目で見て行く必要があるだろう。2点のリードを守りきれず、相手に退場者が出たにもかかわらず試合を支配しきれずに苦しんだ点など、相変わらず課題山積であることに変わりはない。そんなチームをどう導いていくか、手腕を見ていく必要がある。

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