本田圭佑が変身した理由を躍起になって探す伊メディア

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(7)

"カポカノニエーレ"とはイタリア語で得点王の意味である。この日曜日、本田圭佑はベローナ戦で2ゴールをマークし、セリエAのカポカノニエーレとなった。ユベントスのテベス、ナポリのカジェホンとタイの首位ではあるが、それでも得点王には違いない。

ベローナ戦でチームメイトに祝福される本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)ベローナ戦でチームメイトに祝福される本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 本田のゴールのおかげでミランは3-1でベローナを下したが、ミランがベローナホームで最後に勝利したのは、今から10年以上も前、実に2002年にまで遡(さかのぼ)る。そしてその時ゴールを決めた一人が、今はミランのベンチに座るピッポ・インザーギだった。当時のミランはその勝利でチャンピオンズリーグ(CL)出場圏入りをほぼ確実にし、翌年のCLではマンチェスターでユベントスを破り、ヨーロッパチャンピオンとなっている。

 かわって今はまだ第7節。CL出場権を手に入れるまでにはまだまだ長い道のりがある。しかしこの勝利から重要なことを垣間見ることができた。それはインザーギ率いるミランが"真のチーム"になってきているということだ。

 この一週間、ミランといえばエル・シャーラウィーの話題で持ちきりだった。フェルナンド・トーレスが加入したおかげで出番が減ってしまったエル・シャーラウィーが、現状への不満とレギュラーに返り咲きたいという強い気持ちを、とあるインタビューで吐露したからである。しかしこの日の試合での主役はトーレスでもエル・シャーラウィーでもなく、我らが背番号10、本田だった。

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