ドルトムント最悪の連敗。香川真司が語るドロ沼の要因

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「ホームでの敗戦......ましてや最下位のチームが相手ですから、すごく重い敗戦にはなりました」

 フル出場し、多くの起点を作ったものの、得点はならず。自身の復調は感じさせただけに、勝てないもどかしさがにじむ。

 チャンピオンズリーグでは連勝したのに、ブンデスでは浮上のきっかけすらつかめないように見える。その要因を香川はこう見ている。

「相手がよりラインをコンパクトにするなど、こちらを研究して守ってきてるなというのはすごく感じます。より警戒されているのかなというのは、ブンデスリーガを通して感じるし、以前に比べて難しくなったんじゃないかなと思います」

 研究されていることで、好機が作り出せない。香川にもぴったりマークがつき、なかなか高い位置でプレイをさせてもらえない。ドルトムントは現在ミキタリアン、ロイス、ギュンドアン、シャヒン(いずれもMF)らを負傷で欠き、中盤で時間を作ることができず、またゴールゲッターとして機能する選手がいないという大きな問題を抱えてはいる。彼ら故障者のうち、誰かひとりでもピッチに立てるなら、サッカーそのものもまた変わるはずだ。

 しかも攻守でいうと、おそらく守備のほうが問題は大きいはずだ。7試合で9得点は確かにドルトムントにしては多くないが、それでも12失点もしているというインパクトには及ばない。ハイプレッシャーとそれを支える堅守こそがベースのドルトムントにとって、あってはならない数字だ。

 この日のHSV戦では、FWラモスのパスミスから一気に攻め込まれて失点した。ただこれまでであれば、たとえ中盤でのパスミスがあっても、カウンターを許さない距離感の良い守備があったのだが、今季はそれが崩れている。第5節シュツットガルト戦に途中出場し、第6節シャルケ戦では逆に途中で退き、今節ようやくフル出場を果たしたCBフンメルスが不在なのは大きな痛手だった。そのフンメルスにしても本調子とはほど遠く、簡単にかわされたり、後手を踏んで相手を追いかけるシーンが見られる。長期離脱していたスボティッチやベンダーも同様に本来の出来とはほど遠い。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る