ドルトムントCL連勝。香川真司の明るい表情が物語るもの (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「今日はボールの回りも良かったので、手応えを感じています」

 前半はそのまま1−0で折り返す。時折り相手のカウンターも受けたが、シュート精度の低さに助けられた。選手の力をみれば明らかに格下の相手だったが、それでも支配率はほぼ50%。楽勝というわけではなかった。

 後半に入ると、ドルトムントはリードを生かした戦いにシフトチェンジする。

「前ではめるというよりは、守ってからカウンター、という狙いがチームとしてありました。それがまたうまくはまったんじゃないかなと思います」

 試合を決めたのは途中交代で入ったFWラモス。「先発させようとしたけど、コーチの助言にしたがってスーパーサブとして起用した」とクロップ監督が明かした通り、69分、79分に連続してゴールを決めて決着をつけた。

 香川自身は後半に入ると少々動きが落ちたようにも見えたが、UEFAのサイトではこの試合のマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。その香川は試合を振り返る。

「もちろんチャンピオンズリーグが難しいのは分かってますけど、相手はホームで引いてきていたし、そういう意味でうまく主導権を握りながらできたゲームだった。これからはそういう相手だけじゃないですから」

 この試合で、香川は復帰後5試合に出場したことになる。マンチェスター・ユナイテッドで出場機会をほとんど失っていたことを考えれば、状況は飛躍的に改善した。クロップ監督だけでなくクラブとしての期待は高く、チームメイトからの信頼も厚い。先週末にダービーで対戦した内田篤人が「やっぱりシンジが持つと周りの動き出しが早くなる」と言った通りだが、だからこそ結果が求められる。毎試合がテストのようだったマンU時代とは全く違う立場なのだ。

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