3年ぶりのダービー対決。内田篤人が見た香川真司は? (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 右SBの内田は、前半はグロスクロイツ、後半はオーバメヤンと、ドルトムントの攻撃でサイドの起点になる選手に対して、自らが高い位置を取ることで相手を押し込み、攻撃させないようなプレイを見せた。攻撃のチャンスがさほどあったわけではないが、後半はオーバメヤンのドリブルをスライディングでカットしたり、パスをインターセプトしたり、的確な守備でピンチの芽をつんだ。

 一方の香川は苦しい状況が続く。やはり2年間、ドルトムントに比べるとはるかに運動量の少ないサッカーをしてきた影響は大きい。実戦の感覚も鈍っている。かつてのキレや攻撃性にはまだほど遠く、見せ場もほとんど作れないまま試合を終えた。

 そんな香川を、内田は「ボランチがプレスにいっても慌てないですし、ターンともらう位置はピカイチ。彼が入ると、彼だけじゃなくて周りの動き出しが速くなるので、信頼されてるな、と(思った)。あいつからボールが出てくるってみんながわかってるなと感じしましたけど」と評した。

 両チームとも、今週のミッドウィークにはCL第2節を迎える。ドルトムントの苦しい台所事情が後押しして、香川は試合出場を重ねるはず。その間にどうにか本来の調子を取り戻したいものだ。一方、内田は試合中に足が痛そうな仕草を見せていたのが少々気がかりだった。

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