3年ぶりのダービー対決。内田篤人が見た香川真司は? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 試合前の時点で、シャルケはようやく今季初勝利をあげて1勝2分2敗の13位。ドルトムントは2勝1分1敗の8位と、強豪らしからぬ順位にあえいでいる。試合の中身を見てみると、シャルケは第2節でバイエルンに引き分けて以降、チャンピオンズリーグ(CL)でチェルシーと引き分けるなど、強豪とは互角の戦いを演じてきた(それだけ下位チーム相手に取りこぼしが多いということでもあるが)。それに対してドルトムントは、CL初戦でアーセナルを破って以来、リーグ戦3試合で勝ちなし。2列目で存在感を発揮していたミキタリアンが負傷し約1ヵ月の離脱を強いられているのが苦しい。

 今回のダービーは、そんな両チームの状況がそのまま反映された一戦となった。シャルケはセットプレイ2発でリードし、ドルトムントは1点を返しただけで終わった。

 しかも痛かったのは、先発復帰したCBフンメルスを後半35分に交代させなければならなかったことだ。本来であればCBをフル出場させ、攻撃の選手を交代させて勝負を仕掛けたいはずだが、おそらくフンメルスが本調子ではないという判断だろう。

 日本人対決という側面でも、関心が集まった試合だった。現在、ブンデスリーガに日本人選手は13人いるが、その先駆けとなった香川真司と、香川と同時期にドイツへ移籍し、CLではベスト4と日本人で最も結果を出している内田篤人が、3シーズンぶりにダービーで対戦したのだ。

 2試合連続の先発となった内田はフル出場。香川は後半12分、インモービレと交代で途中出場した。2人の対戦という意味では内田の完勝だった。試合後のミックスゾーンでひっぱりだこになり、その全てに丁寧に対応した内田に対し、香川は一切口をつぐんだ。

 その内田が語る。

「ラッキーと言ったらアレですけど、ドルトムントらしくないというか。強いチームはセットプレイでやられない、そういう雰囲気があるものですけどね。とはいえ守っているこっちは必死でした。シンジも途中から入って来て、クオリティのある選手はいっぱいいました。そういう選手を後ろ4枚とボランチ、みんなで守っただけでなく、前の選手も頑張ってくれた」

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