マインツ岡崎慎司、ブンデス100試合目の快挙 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「(良くなかった点は)強いて言えばすごくばてたってことくらいですけど、まあしょうがないかな、と。すごく相手に走らされたし。ただチームを助けれたと思うし、チームの勝利に貢献できたと思うので、今日は本当に良かったと思います」

 この試合の後半24分、岡崎のハンドで相手にPKを与えている。

「ハンドは今まであまりなかったんですけど、変に飛び込んじゃって、すごく後悔している。でもロリス(・カリウス、GK)に助けられたのでチームに感謝したいし、チーム全員で勝ち取ったゲームだと思う。ハイロ(・サンペリオ、MF)が良いボール上げてくれたし、それを決められたことが今の自分にとって一番大事なことなので、良かったです」

 それにしても、自身がベストゲームと言える試合が、節目の100試合目にやって来たとは、不思議なものでもある。

「まあまあ、こつこつやってきた。それだけです。僕はベストゲームとか、そういうことを本当はあまり言わないんですけど、初めて言いました」と、はみかみながら語った。

 一方、香川が置かれた状況はそう簡単なものではない。マンチェスター・ユナイテッドから復帰し、2度目の先発出場。ドルトムントのサッカーの中での試合勘も取り戻さなくてはならないし、自身のプレイの感覚も、かつての質を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。

 とはいえ、この日はゴールこそ生まれなかったものの、前回のフライブルク戦では見られなかったような鋭いパスを繰り出すシーンもあり、香川らしさが見られた。だが、シュートがなかったことに象徴されるように、プレイの位置が低く、本来の攻撃的な怖さという点ではまだまだである。

「精度を上げていかないと。コンディションもまだまだ上げていかないと」と、試合後も言葉少なだった。ドルトムントのような強豪にとって、敗戦そのものがあってはならないものなのだろう。他の選手たちも軒並み暗い表情のままスタジアムを後にした。

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