2試合連続ゴール。ミランと本田圭佑の何が変わったのか (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 両サイドバックは、たびたびMFを越えて攻め上がる。彼の指揮するチームでは全員が自分のすべき動きを熟知していなければならない。良いボールが来るのをただ立って待っているなどということは許されない。こんなインザーギ・ミランを破るには、相手チームはよほど優秀で、よほど強い闘志を持っていなければならないだろう。

 ロッカールームの雰囲気も変わった。それは得点後の選手たちの喜び方からも垣間見える。ゴールを決めた選手にチーム全員が駆け寄り、ベンチにも駆け寄り、抱き合い、共に喜び合う。もちろんインザーギも一緒だ。いや、もしかしたら誰よりも一番はしゃいでいるのは監督自身かも知れない。

 攻撃も変わった。ミランは今、まさに期待していた通りの本田圭佑を手に入れた。前回のコラムでも触れたが、それは9月14日(現地時間)のパルマ戦でも確認することができた。この試合、本田はまずFWボナベントゥーラにアシストして先制点に貢献。その後、ミランの2ゴール目を自ら決めた。開幕戦に続く、2試合連続のゴールであり、その前の練習試合も入れれば、なんと4試合連続得点である。また前半終了間際には本田が出したボールを受けたFWメネスが倒されてPKを獲得している。ミランの3点目のお膳立ても本田だった。60分間のプレイで(交代はDFボネーラの退場とDFアレックスのケガのせいで、本田が悪かったからではない)本田はその才能を十分に発揮し、インザーギの期待と背番号の責務に応えた。

 練習でもインザーギは度々本田に賛辞を送っている。昨シーズンの困難を乗り越えてきた本田は、今やミランには欠かすことのできない重要な戦力である。

 ミラネッロでの本田も変わった。イタリアにも、イタリアのサッカーにもすっかり馴染み、言葉の壁もあまり感じられないようだ。以前よりも多くの笑顔が見られるようになったと、スタッフたちは嬉しそうに証言している。

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