本田圭佑が今季、ミランの主役になる可能性 (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 最初の数日の練習で、インザーギは本田の才能を確信し、3トップの右で使うと公言している。本田もそれに応えるかのように、コンディションを取り戻すやいなや、多くのゴールをあげ始めた。

 メキシコのチーバス戦で先制ゴールをアシスト、いいパフォーマンスを見せたのに続いて、バレンシア戦ではフリーキックからゴールを決め(この試合、本田は90分プレイした数少ない選手だった)、そして冒頭にあげた先日のTIMカップである。運命の女神のちょっとしたいたずらなのか、本田がMVPとなったのは、今年の1月12日に彼がセリエAデビューを果たし、アッレグリ元監督が解任されたのと同じ、レッジョ・エミリアのスタジアムだった。

 試合後、インザーギは本田に関してこう語っている。

「本田がいいプレイをしたのはなにも今日が初めてではない。確かにシーズン冒頭から、ミランで準備できたことは彼を大いに助けているだろうが、私はこれまでも彼の才能を疑ったことは一度もなかった。昨シーズンはイタリアサッカーに慣れるための必要な期間で、それは外国人選手ならごく当たり前のことだ。またポジションに関しては、右サイドが彼本来の、一番力を発揮できるポジションだと私は信じている」

 またミランの副会長ガッリアーニもこう言っている。

「本田に心から賞賛を贈る。今夜の本田はまさにMVPにふさわしいプレイヤーだった。ベルルスコーニ会長ともそう話したよ。今晩のゴールも、この前のバレンシア戦のゴールも本当に見ごたえのある素晴らしいものだった。ザッケローニも彼についてはいつも良く言っている。この調子でいけば、またすぐに以前のような偉大な選手に戻るだろう」

 さて、開幕も間もなくだが、カルチョメルカートも最終段階に入った。9月1日の23時にはすべての移籍市場が閉まる。ミランは今、リバプールに移籍したマリオ・バロテッリに代わるビッグネームのストライカーを探している。しかし、もしかしたら新たに大金を積んで大物を獲らずとも、すでに自分たちの手の中にある本田が、ミランの新シーズンの主役になるかもしれない。その可能性は大いにある。

 イタリアの8月30日にセリエAは開幕、ミランは日曜日にラツィオと対戦する。ミラニスタたちは本田がミランの背番号10の正当な後継者であることを、ついに見ることができるのではないだろうか。


オフィシャル誌編集長のミラン便り>

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