好プレイも無得点。ハーフナー・マイクに残された時間は?

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 リーガ・エスパニョーラ7人目の侍――、今シーズンからコルドバに加入したハーフナー・マイクがサンティアゴ・ベルナベウでのレアル・マドリード戦でデビューを飾った。コルドバでの初陣は、レアルに2-0と地力の差を見せつけられて惜しくも敗戦。しかし、リーガの舞台に初めて立った日本人FWは、何度も決定機を作るなど、昨シーズンの欧州王者相手に上々のパフォーマンスを見せた。

昨年の王者レアル・マドリード相手に奮闘を見せたハーフナー・マイク(左)昨年の王者レアル・マドリード相手に奮闘を見せたハーフナー・マイク(左)「大きくヘディングは強いが、動きは鈍い」

 それがスペインの全国紙『マルカ』が評した、ハーフナーに対する試合前の分析だ。だが、レアル戦でゴールの匂いを一番放っていたコルドバの選手は、間違いなくハーフナーだった。

 前半7分、エリア内で味方がレアルのDFにつぶされると、誰よりも早くこぼれたボールに反応したハーフナーは迷わず右足を振り抜いた。シュートはわずかにゴール左へと逸れていったものの、サンティアゴ・ベルナベウに駆けつけた4000人のコルドバサポーターには「自分達はやれるんだ」という期待を抱かせ、一方のレアルサポーターには「先制点を奪われた」と思わせる衝撃を与え、スタンドからは落胆と安堵、双方の叫び声が生まれた。

 また、その直後にもハーフナーは、オフサイドの判定ながらシュートを連発。身長194センチの大型FWはキレのある動きで、メディアの予想を裏切るパフォーマンスを立て続けに披露した。

 しかし、試合の流れは徐々にホームチームが掴むようになり、前半30分、レアルのカリム・ベンゼマが右CKから鮮やかなヘディングシュートを決めて先制。さらに追加点を奪うべく、コルドバゴールに襲い掛かった。ただ、コルドバも高い集中力を維持して得点を許さない。レアル相手に機能した組織的な守備は、「練習試合でまったくできなかったことが、今日の試合はできていた」と、試合後にハーフナー自身がビックリしたほどだ。

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