ドイツ1部参戦、ケルンのサッカーを変えた長澤和輝 (4ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by Getty Images

 観客がピッチになだれ込み選手とともに昇格を祝うスタジアムで、ドーピング検査の対象となってしまった長澤は、他の選手たちよりもだいぶ遅れて観客の前に姿を現し、大きな声援を受けた。

「日本にいては経験できないようなすごくいい経験ができた」と素直に優勝・昇格の喜びを語った長澤だが、まだ危険なプレイを見せられているとまでは言い難い。

 ボーフム戦で後半からポジションを下げてボールをより引き出したように、ケルンでは相手の中盤のギャップでボールを受けて前線にボールを送るという「繋ぎ役」としてプレイし、評価された。よりゴールに近い位置でボールを受けていた大学時代と比べるとゴールからは遠くなったが、それはチームから求められた役割をしっかりと理解して実践できることを証明してみせたということでもある。そう考えれば、今季はまた違う長澤の姿が見られるかもしれない。

「自分の中で、1部で(戦うには)まだまだフィジカル面だったり、もちろん技術の問題も足りない部分があると思うので、しっかりと次を考えてやっていこうかなと思います」

 1部での戦いが、間もなく始まる。

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