リーグ・アン開幕。PSGの圧倒的強さにあきらめムード? (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by AFLO

 いずれにしても、ビエルサのサッカーが浸透するまでには時間を要するはずなので、新生マルセイユの目標は、あくまでもチャンピオンズリーグ出場圏内の3位以上となる。

 その他、上位争いに加わってきそうなのは、昨シーズン3位のリール、かつてリーグ7連覇を果たした名門リヨン、そしてクリストフ・ガルティエ監督のもと、年々力を付けてきているサンテティエンヌといったところか。特にリールは、リバプールに移籍したベルギー代表FWディヴォック・オリジがレンタルバックでプレイすることになり、右SBには将来のフランス代表候補とされるセバスティアン・コルシアを補強。2011-12シーズンにモンペリエを初優勝に導いたルネ・ジラール監督がリールをどこまで引き上げるのか、その手腕にも注目が集まる。

 さて、最後に主役のパリ・サンジェルマンである。

 昨シーズンはリーグ戦で勝ち点89ポイントを積み上げ、他を圧倒して優勝した他、リーグカップも獲得してシーズン二冠を達成。とりわけ、就任1年目のローラン・ブラン監督が豪華メンバーを使いこなして、見事なアタッキング・フットボールを実践したことは記憶に新しいところだ。

 そして、今シーズンは新たに、ブラジル代表CBのダヴィド・ルイスをチェルシーから、ワールドカップで日本が苦しめられたコートジボワール代表右SBのセルジュ・オーリエをトゥールーズから補強。最終ラインを強化したことで、昨シーズンよりもディフェンス力が大幅にアップしたと見ていい。

 これに、現在まことしやかに囁(ささや)かれるアルゼンチン代表のアタッカー、アンヘル・ディ・マリア(レアル・マドリード)の獲得が実現すれば、リーグ・アン3連覇どころか、いよいよチャンピオンズリーグ制覇という目標も現実味を帯びてくる。確かにファイナンシャル・フェアプレイのペナルティによって、現有戦力の中から何人かを手放さなければならないと見られている。だが、それを鑑(かんが)みても、パリ・サンジェルマンがリーグ・アン3連覇を達成する可能性は極めて高い。

 焦点は――、勝ち点を何ポイント積み上げて優勝するかどうか、だ。今のパリ・サンジェルマンなら、昨シーズンにイタリアのユベントスが達成したシーズン勝ち点102ポイントを塗り替えることも、決して夢ではないだろう。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る