とり・みきとヤマザキマリが体感した、W杯の実態 (6ページ目)

とり・みき 経済的な意味でかな? メキシコは親ロシアであると。

ヤマザキ はい。ロシアを応援しに来たんだって言ってました。そのくせ、ベルギーが点を入れた時は一緒に自分もワーッと立ちあがって喜んでいた。最後にベルギーが勝利した時、彼も一緒に立ち上がっているから、私が「ロシア負けたのに!?」という顔で見つめたら「テヘッ」って、悪戯坊主(いたずらぼうす)みたいな顔で首をひっこめてほくそ笑んでいました(笑)。なんかちょっとかわいらしい印象の人でしたよ。ああいう人たちの、ゆとりのあるフレキシブルな楽しみ方って、いいですね。

とり・みき いいかげんですばらしいな(笑)。自分の国の試合ではないので、どうやって楽しむかということをいろいろ考えているんでしょうね。

ヤマザキ 近くの席同士でおしゃべりして国籍が違ってもつたない英語でも、友達になっている人たちも、たくさん見かけました。

とり・みき
 ロシアとベルギーのサポーター同士でも、結構仲良しになったりしていましたね。あとそのメキシコ人のように、対戦国以外の国の人達がたくさん観に来ているんですよね。日本人はほとんど見かけませんでしたけど、それゆえか、みんなこっちを見ると「ニッポンニッポン」と話しかけてくる。

ヤマザキ スポーツではあっても、勿論それぞれの国の力を掛けた戦いではあるのだけれども、私のようなサッカーマニアじゃない人間にとっては、何よりも世界の一体感のようなものを感じることができるシーンをたくさん目の当たりにして感動しました。サッカーを通じて様々な国に分散している世界を、どこまで寛容で幅広い見方で捉えることができるか、そして融合できるか、という意味では、このような世界の人が集まるW杯はとても大事だなと思いました。自分が生きている地球がどういう場所なのかを感じるためにも、人生では一度は見ておいたほうがいいイベントかもしれないですね。

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