ブラジルに必要なのはヨーロッパの監督だ

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】ブラジルは立ち直れるか(後編)

 今回のワールドカップで惨敗した開催国ブラジルが、準決勝で大敗した相手であり、大会を制したドイツから学ぶべき教訓をさらにつづってみる。

5 ブラジルは最高の国から学ばなくてはならない。自分たちがフットボールのやり方を理解していないという事実を受け入れるべきだ。2004年以降のドイツは、オランダやスペインからパスゲームを学び、イングランドのプレミアリーグからプレイのペースを学んだ。フランスからは少数民族を代表に招集することを学び、アメリカからはフィットネスを学んだ。

再びブラジル代表監督に就任したドゥンガphoto by Getty Images再びブラジル代表監督に就任したドゥンガphoto by Getty Images6 ここで当然の結論が見えてくる。ブラジルにはおそらく外国人監督が必要だ。ドイツ代表を再生させたユルゲン・クリンスマンはドイツ人だが、選手としても外国生活が長く、代表監督になったときにはカリフォルニアに住んでいた。元ブラジル代表FWのロナウドが2年前に言ったように、ブラジルはスペイン人のジョゼップ・グアルディオラに監督就任を打診すべきだったのだ。今こそヨーロッパ人を雇うべきだ(と書いているうちに、ブラジルはドゥンガを再び代表監督に据えてしまった。2010年の南アフリカ大会で彼が率いたブラジル代表は準々決勝で敗れ、今回より早く大会を去っているのに)。

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