ブラジルの寝技に屈す。美しき敗者コロンビア (4ページ目)

  • 杉山茂樹●分text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 一方、ブラジルは、負け方を競うコンテストに世界で唯一入れないチームになる。優勝して当たり前。辛い宿命を背負っている。ましてや今回のブラジルは開催国だ。優勝候補の本命でもある。どんなにつまらないサッカーをしても、優勝しなければならない。チリをなんとか延長PKで仕留めても、コロンビアに激闘の末、勝利を収めても、自国民はもとより、世界中が驚いてくれない。喜んでくれない。一方、敗れれば大事件。優勝を逃せば国民は悲しみにくれる。

 だが、準決勝のドイツ戦は、チアゴ・シウバが累積警告で出場停止になる。負傷のネイマールに至っては、この先の出場は絶望的だという。それでも美しい敗者にはなれない。ルイス・ファリペ・スコラーリはドイツに対してどんな寝技を用いるのか。ぶつ切り作戦はもう通用しないと思うのだが、他に手はあるのだろうか。
  

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