コロンビア8強入り。エースの活躍に日本戦の影響あり

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 コロンビアを率いるホセ・ペケルマン監督が惜しみない称賛を送る。

「ハメスのような選手と一緒に仕事ができるのはすばらしいことだ。彼は前の試合を終えて、とても大きな自信を手にしていた」

 前の日本戦では後半だけの出場にもかかわらず、1ゴール2アシストと圧倒的な存在感を見せつけたロドリゲス。その勢いは1点だけでは止まらなかった。

 後半開始直後の50分、左サイドバックのアルメロが上げたクロスをMFクアドラードが頭で折り返したところを、ゴール前に入っていたロドリゲスが今度は右足で仕留めた。

 この試合の全2ゴールを叩き出した22歳が興奮気味に口を開く。

「これは歴史的なことだ。僕はずっとマラカナンでゴールしたいと夢見てきたが、それが叶ったんだから」

 コロンビア史上初の8強入りをたぐり寄せる決定的な追加点。試合時間は十分に残されていたとはいえ、その後のコロンビアのウルグアイ対策は万全だった。

 5-3-2でスタートしたウルグアイは2点のビハインドとなったことで、4バックにシフトチェンジ。ウルグアイのオスカル・タバレス監督が「リードされたので、リスクを負ってでも攻めに出なければならなかった」と語ったように4-1-3-2に布陣を変え、前線の枚数を増やして反撃に出た。

 しかし、コロンビアはボランチのサンチェスがDFラインに下がり、実質5バックでこれに対応。さらにFWグティエレスに代えてMFメヒアを投入し、ボランチに起用。5-4-1の布陣で逃げ切り態勢に入った。ペケルマン監督は言う。

「相手を知ることはとても重要なこと。我々はウルグアイの強さを理解していたので、いくつかの変更を加えて対応できた」

 試合終盤はウルグアイが攻勢に出るも、コロンビアはGKオスピナの好守もあって無失点。2-0のままタイムアップを迎えた。

 チャンスを見逃さず、きっちりと仕留める選手。スキのない采配でピッチ上の出来事に対して的確な手を打つ監督。相手をねじ伏せるような強さがあるわけではないが、したたかに勝利をもぎ取る強さが、コロンビアにはある。

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