ファルカオ不在も気にならず。FW黄金期のコロンビア (2ページ目)

  • 三村高之●文 photo&text by Mimura Takayuki

 また、後半には昨季と一昨季のポルトガルリーグ得点王マルティネスとブンデスリーガで14得点のラモスが交代出場。これだけのタレントが揃っているので、ファルカオの不在は致命的なマイナスにはならない。

 コロンビアの弱点は守備で、それは以前から指摘されていた。しかしペケルマン監督は、持ち前の攻撃力を活かすことを最優先に考え、守備のもろさについては目をつぶる方針を貫いている。「南米予選でチリに30分間で3点取られたが、その後3点取り返し、さらにもう1点の決定機も作った。これが我々のサッカーだ」と言い切る。このセネガル戦は大量の選手交代が影響したとはいえ、連係ミスと寄せの甘さが失点につながった。コロンビアDFやボランチの傾向として、ゴールからある程度距離があれば、パスを警戒してか寄せが甘い。日本はミドルシュートを積極的に放つべきだろう。

 この試合の収穫は、故障上がりの両SBが復帰できたこと。特に右SBのスニガは6ヵ月も試合から離れており、フィジカルの回復に加え試合勘について心配されていた。彼は頻繁にオーバーラップを行う攻撃型で、彼の上がりがコロンビアの攻撃パターンでもある。しかしその裏を突かれてピンチを招くことも多く、日本もここを狙いたい。

 6月6日のキャンプ打ち上げ試合は、仮想日本のヨルダンが相手。システムは珍しく3バックの3-4-1-2。中盤の両サイドは、先の試合で復帰したSBのスニガとアルメロ。この布陣について試合後ペケルマン監督は、「中盤の守備を厚くして、早い段階でボールを奪うことを狙った」と説明した。後半は4バックに戻したが、無難に無失点で切り抜けた。

 攻撃陣も好調で、ゴール前を人垣で固めたヨルダンから3点を奪った。コロンビア代表はこの日のうちにサンパウロへ移動。現地で最終調整をして本番に挑む。

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