W杯の行方を左右する!世界ナンバーワンGKは誰だ? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 スイスはしかし、グループリーグ3位となり決勝トーナメント進出を逃した。スペイン、チリに先を越されたわけだが、この組の結果は、最後まで分からなかった。スペイン対チリの最終戦で、チリが引き分けに持ち込めば、スイスはスペインを蹴落とし、ベスト16入りすることができた。

 そしてスペインは、チリに手こずることになった。そのベスト16入りに暗雲が立ちこめ始めた頃だった。チリ代表のGKクラウディオ・ブラーボ(レアル・ソシエダ)が、バックパスを蹴り返そうとしたその立ち足を、滑らせたのは。

 ボールはビジャの目の前に転がっていった。そしてビジャは、このプレゼントパスをそのまま蹴り返し、スペインは待望の先制ゴールを挙げたのだ。もしクラウディオ・ブラーボが足を滑らせていなければ、スペインのグループリーグ落ちは十分に考えられた。

 スペインとチリは今回もグループリーグを同じ組で戦う。クラウディオ・ブラーボにとっては、リベンジの場になる。チリで一番燃えている選手はGK。この事実はスペインにとって、少なからず厄介な話になる。

 ちなみにこのクラウディア・ブラーボ、バルサが退団するバルデスの代わりに狙っている選手のひとりだとか。スペイン戦は自らの商品価値を高める重要な一戦と言い表すこともできる。

 日本と同じグループで戦うギリシャの正GK、カルネジス(グラナダ)は、昨季のスペインリーグ終盤で、これ以上はない見せ場を作った。33節の対バルサ戦。グラナダの支配率はわずか14%に過ぎなかった。シュート数もバルサの29本対して5本。にもかかわらずグラナダは1-0で勝った。カルネジスが好セーブを連発したからに他ならない。このグラナダの奇跡的な勝利は、ギリシャ代表GKの大活躍と密接な関係にある。

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