圧倒的な身体能力!W杯で相手を怖がらせるセンターバックたち (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 一方、ペペはブルドーザータイプ。馬力を活かして広い範囲をカバーする。前回南アフリカW杯では、守備的MFとしてプレイ。その馬力を中盤の潰しで活かす多機能性もある。

 ペペは07年にポルトガルに国籍を取得したブラジル生まれの選手。ブラジルW杯出場で故郷に錦を飾ることになる。活躍が気になる選手だ。

 ブラジル人選手といえば、個人技に優れたテクニシャンを一番に連想するが、CBの宝庫としても知られている。前で触れたアレックスがもう2~3年もブラジル代表に呼ばれていないのは、それだけ層が厚いからだ。CL決勝で存在感を発揮したアトレティコのミランダも23人枠から漏れている。

 激戦を制してブラジル代表のスタメンを飾りそうなのは、ダビド・ルイス(チェルシー)とチアゴ・シウバ(PSG)。前者はカーリーヘアーを振り乱しながら、広範囲に動くペペ型。ドリブル能力も高い。実際、チェルシーでは今季、守備的MFを務めることが多かった。チアゴ・シウバは堅いタイプ。いま世界で最も安定感のあるディフェンダーのひとりだ。このコンビはちょっとやそっとでは大崩れしない。ブラジル最大の強みと言ってもいい。バイエルンのダンテが3番手。こちらの売りはフィード力にある。その左足は正確そのもの。とりわけサイドへ大きく振る展開力が光る。

 現在、堅さでチアゴ・シウバと双璧にあるのが、コンパニ(ベルギー代表/マンチェスター・シティ)だ。ベルギーはブックメーカーから、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、スペインに次ぐ優勝候補の5番手に推されているが、その理由の一つに挙げられるのが守備の固さだ。守備的MFビッツェル(ゼニト)の存在も大きいが、このコンパニも他国の脅威になっている。体幹に鋼が組み込まれているのではないかと思ってしまうほど、堅い。硬いという言い方も出来る。敵を跳ね返す力はどこかロボット的。ヘディングの力も並外れている。191cmの長身に加え、頭もまた硬いのだ。その反発力は必見だ。

 日本がグループリーグで対戦する中では、ギリシャ代表のパパスタソプーロス(ドルトムント)が怖い存在だ。連想するのは塗り壁だ。相手の近くにすっと壁のように立つ、粘着質な守りをする。ギリシャ人気質を象徴する選手と言える。

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