CL決勝。レアルとアトレティコ、それぞれの不安材料とは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 当然、アンチェロッティにも油断はない。レアルが優勢に試合を進めるなかで、アトレティコがカウンターを狙う展開になるのではないかという見方には、こんな言葉でいさめてみせた。

「(アトレティコがカウンター狙いと言われるが)我々もカウンターを使える。アトレティコはいい攻撃といい守備を持っており、我々との違いは感じない。攻守ともに高いレベルにあり、とても似たチームの対戦だと思っている」

 アンチェロッティの言葉どおり、ハイレベルな試合が期待される"マドリード・ダービー"だが、そこで気がかりなのは、互いにベストな状態で試合に臨めるのかどうか、という点である。

 レアルのMFシャビ・アロンソが累積警告で出場停止となったのはもはや仕方がないとしても、両クラブとも主力に負傷者を抱えているのは心配だ。

 まずはアトレティコだが、こちらはエースストライカーのFWジエゴ・コスタと、プレーメイカー(司令塔)のMFアルダ・トゥランの出場が危ぶまれている。実際、シメオネは「昨日よりよくなっているが、今日(試合前日)の練習を見る必要がある」と出場の可否については明言を避けている。

 試合前日の公式練習では、ふたりとも全体メニューをすべてこなしていたが、ジエゴ・コスタに関しては常にトレーナーが傍(かたわ)らに寄り添い、話し合いながら練習するという状況にあった。心なしか恐る恐る走っているようにも見え、とても万全とは言い難い。

 アルダ・トゥランは先発できたとしても、ジエゴ・コスタは勝負どころでの「時間限定出場」になるのではないだろうか。シメオネ監督は「ふたりとも重要な選手だが、何が起きてもいいように他の選手の準備はできている」と話す。

 またレアルでは、クリスティアーノ・ロナウド、ペペ、カリム・ベンゼマが負傷を抱えている。「クリスティアーノは問題ないが、ペペとカリムは今週練習をしていないので、練習の様子を見てから決めたい」とアンチェロッティ。公式練習を見る限り、プレイに大きな支障はなさそうだったが、こちらも試合直前まで頭を悩ますことになるだろう。

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