ウイング兼ストライカーの時代!W杯にも続々登場 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 強者と対戦するときは相手のサイド攻撃を止めろ」とは、オシムの言葉だが、これに昨季のセリエA得点王が加われば、日本はより絶望的なムードに襲われる。 前回、センターフォワードとして紹介した今季のプレミア得点王、スアレスも、フォルランが登場すると、左サイドに回る。

 ストライカーなのにサイドができる選手がいるチームの利点を、ウルグアイには見ることができる。前半より、後半の方が強い。スター選手を無理なくスムーズに並べることが、後半のパワーアップに繋がっている。

 もし日本がグループリーグを突破すれば、決勝トーナメント1回戦でウルグアイと対戦する可能性はおよそ50%。見たいような、見たくないような試合になる。とはいえ、日本にもウイング兼ストライカーはいる。今季、マインツで15ゴールを決めた岡崎の得点力を、右ウイングのポジションでどう活かすか。いまの彼のノリを全面に活かそうとすれば、試合の途中でトップに移動させることも可だ。日本の浮沈のカギはその使い方に懸かっていると言ってもいい。

 アルゼンチンのアグエロ(マンチェスター・シティ)も、ここに属する選手だ。真ん中でもプレイできるがサイドもできる。イグアインを1トップに据え、アグエロ(右)、メッシ(左)で固める攻撃陣は、相当豪華だ。

 通常、その一列下で構えるディマリア(レアル・マドリード)も、状況次第でポジションを上げてくる。イグアインを下げ、メッシを真ん中に起き、そこにディマリアが入るのだが、こうしたフレキシブルな変化が利くことも、ウイング兼ストライカーを擁している強みだ。

 イングランドは、ウルグアイ、イタリアと同じ組に入り、苦戦が伝えられるが、光明はスターリッジ(リバプール)の好調ぶりだ。チェルシーをお払い箱になり、今季、リバプールに移籍したが、そこでいきなり21ゴールを挙げる大活躍。得点ランキングで、同僚のスアレスに次ぐ2位に入った。

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