W杯でも注目!いま欧州で最も勢いのあるストライカーは? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 イングランドには、日本はイタリア以上に勝つチャンスがあると思う。名前と戦力が一致しない国。新戦力がイングランドほど台頭していない国も珍しい。唯一の例外はスターリッジ(リバプール)になる。プレミアでは目下、チームメイトのスアレスに次いで得点ランク第2位。いまイングランド で最も勢いのある選手が、本大会でもその流れを活かすことができるか。

 意外なのはベンゼマ(レアル・マドリード/フランス)が、W杯に初登場することだ。南アフリカ大会当時は不調だったことや私生活に問題を抱えていたことなどで、招集が見送られた経緯がある。フランスはその結果(?)、グループリーグで1勝もできず最下位に。フランスにとっても、ベンゼマにとっても、今回はリベンジの大会になる。

 ベンゼマはいまや、押しも押されもせぬレアル・マドリード不動のCFだ。チャンピオンズリーグの決勝を戦うことで箔もついた。フランスはその恩恵に大なり小なり預かることができると僕は思う。

 1トップやストライカーに、いまが旬な選手を擁しているチームのポイントはおのずと高くなる。W杯は180分間の戦いではない。グループリーグは90分。決勝トーナメントは延長付きだが、それでも120分。チャンピオンズリーグより試合時間は大幅に短い。番狂わせが起きやすい原因でもあるが、1トップやストライカーの力がそれだけに重要になる。

 前回大会の本田圭佑(ミラン)がいい例だ。日本がその時、一番上り調子にあった彼を1トップ(0トップ)に据えて戦ったことと、ベスト16という結果とは大きな関係がある。今回もその点にはこだわる必要がある。CFに据えるべきは、最も勢いのある選手。そこで浮上するのは岡崎慎司(マインツ)だ。今季のブンデスリーガで15ゴールを挙げ、得点ランク7位タイにつけている実績を無視するわけにはいかない。岡崎の1トップは、少なくともオプションの一番手に用意しておくべきものだと思う。

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