2014.05.12

W杯でも注目!いま欧州で最も勢いのあるストライカーは?

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 1年前、ジエゴ・コスタはファルカオの脇役的な存在だった。スペインリーグでは、得点ランキングよりアシストランキングで上位にランクされたほどだ。だが、ファルカオは今年1月、モナコで大ケガに見舞われる。W杯本大会に向けて現在、リハビリを懸命に行なっているという話だが、1年前の主役と脇役の関係は、いまではすっかりひっくり返ってしまった状態にある。

 ジエゴ・コスタは昨年3月、ブラジル代表に選ばれている。イタリア、ロシアとの親善マッチにCFとしてスタメン出場している。しかしジ エゴ・コスタは、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督が、CFで一番に評価しているのは、フレッジ(フルミネンセ)だと判断したのだろう。彼は国籍をブラジルからスペインに変更。そして、今年3月のイタリア戦でスペイン代表デビューを果たした。

 CFは、スペインにとって最大の泣き所だった。フェルナンド・トーレス(チェルシー)、ダビド・ビジャ(アトレティコ・マドリード)、ネグレド(マンチェスター・シティ)、ジョレンテ(ユベントス)。いずれの候補もいまひとつだった。決定力不足はスペイン代表の評価がじわじわ後退する最大の理由と言えた。

 スペイン代表にとっては渡りに船。ジエゴ・コスタの加入は、これ以上は望めない神様からのプレゼントになった。いま、欧州で最も旬なストライカー。チャンピオンズリーグと国内リーグ優勝それぞれに王手を掛けているアトレティコの現在は、彼の圧倒的なプレイなしには語れない。そしてその勢いがスペイン代表に反映されることは、ほぼ確実な情勢だ。

 欧州サッカー、シーズン終盤の主役として大ブレイクするジエゴ・コスタの姿を見て、名将ルイス・フェリペ・スコラーリが地団駄を踏んでいる姿が目に浮かぶ。彼をスペインに取られた代償は、相当大きなものがある。優勝のゆくえを左右しかねない大事件。そう言い切っても言い過ぎではない。

 現在、リハビリ中のファルカオ(コロンビア代表)は、その影にすっかり隠れた状態にある。本大会に間に合ったとしても、ベストフォームが拝めるかどうか微妙な情勢だが、一人のサッカーファンとして言わせてもらえば、完全復帰を願わずにはいられない。