レアルCL決勝進出。バイエルンを分析し尽くしていたアンチェロッティ
こんな結果をいったい誰が予想できただろうか。チャンピオンズリーグ(CL)準決勝セカンドレグ、レアル・マドリードはバイエルンを4-0で下した。これでレアルはバイエルンに無失点で2連勝。初めてミュンヘンでバイエルンを下し、2001~2002シーズン以来の決勝進出を決めた。
バイエルン戦で2ゴールをあげたクリスティアーノ・ロナウド 試合後、レアルのアンチェロッティ監督は「完璧な試合」と振り返った。そして手も足も出なかったバイエルンのグアルディオラ監督は「明らかな敗戦」と肩を落とした。
バイエルンがこれほどまで何もさせてもらえずに終わるとは想像がつかなかった。とはいえ、ここ最近のバイエルンの調子は明らかにおかしかった。3月25日ヘルタ戦でリーグ優勝を決めると、GKノイヤーら主力を外したとはいえ、翌週のホッフェンハイム戦を3-3で引き分けた。それまでの27戦でわずか13 失点のチームが、いきなり3失点したのだ。
その後はマンチェスター・ユナイテッドとのCL準決勝(第1戦1-1のドロー、第2戦は3-1で勝利)をはさみながら、アウグスブルクとドルトムントに2連敗。続いてドイツ杯準決勝では2部のカイザースラウテルンに大勝したが、先週のリーグ戦ではブレーメンに2点の先行を許した。結果的には5発で逆転、大勝したものの、「らしく」ない戦いぶりが続いていた。特に失点の急増は顕著で、リーグ戦第28節から第32節までのわずか5試合で9失点している。
レアル・マドリードとの対戦を前に、グアルディオラが警戒していたのはやはり守備のこと。特にクリスティアーノ・ロナウド、ベイルという両翼のスピードだった。「彼らのスピードは最速のDFがいたとしても止められない」と、前日記者会見でも言及していた。そのうえで、「引いてスペースを消しても、(レアルは)クロスを上げファウルを誘うことでチャンスを狙ってくるだろう」と、自らのスタイルを変えないことを宣言した。
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