ミラン練習場もシャットアウト。ダービーに臨む本田圭佑

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ミランというチームにとってヨーロッパリーグ出場は非常に低い目標ではあるが、それでもこれが今のミランにとっては非常に重要であることは本田にもわかっている。カップ戦があればそれだけ来シーズンの試合数も多くなるが、本田は「それも構わない」と、先日の初インタビューでも言っていた。

「僕はできることなら多くの大会、多くの試合でプレイしたい。週3回でも構わない。毎日がテストのような日々だが、でも僕たちはプロだ。ただ、もしヨーロッパリーグ出場権を手に入れることができなければ、その時は物事のいい面を考える。つまり試合が少ないだけ、より練習に集中することができるとね」

 とにかく全ては今週にかかっているといっていい。ミラネッロの練習場はすでにクローズとなっていて、記者もスポンサー関係者も立ち入ることはできない。選手の気が散ることをコーチたちは極力避けたいのだ。そう、今週末にはサン・シーロでダービーがあるのだ。この試合は日本人のサッカーファンにとっても心待ちにしている特別な試合だろう。なにしろイタリアで初めてザック・ジャパンの二大中心選手、本田圭佑と長友佑都がぶつかるのだ。本田は以前ダービーに関してこう漏らしている。

「佑都と対決するとなると、ものすごく走らないとダメだろう」

 先程も言ったとおり、ミランにとって今回のダービーはただライバルと対決するというだけでなく、順位の上からも非常に重要な試合だ。ミランは従兄弟チーム(イタリアでは同じ街のチーム同士をこう呼ぶ)インテルから現在マイナス6ポイント。普通に見ればミランの方が不利だ。

 しかしダービーでは、なぜか昔から不利だと思われるチームが勝つというジンクスがある。シーズン前半の試合でもそうだった。ミランの方が内容的にはずっと良いプレイをしていたのに、最後の最後にパラシオのヒールからのシュートでゴールを奪われ、負けてしまったのだ。今、ミランのサポーターは勝利を一心に願っている。ぜひ喜びに沸く一夜となって欲しい。

オフィシャル誌編集長のミラン便り>

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