酒井高徳「悔いを残したままW杯メンバー発表を迎えたくない」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 シーズン終了後に待つのはW杯だ。一つの大きな目標であることには違いないが、残留争いがその前にある限り、そこまで頭がまわらないのが現状だ。

「もちろんワールドカップのメンバーに入りたいというのはいつでも思っている。そのためにはシュツットガルトで試合に出ることが第一だと思っています。試合に関わってないとメンバー に入れる可能性は薄くなってくるし、自分は今、そういう立ち位置だと思っている。あと4試合、集中してやったら、そのときに初めて結果が出てると思う。それで降格してメンバーに漏れても、入っても、自分は言い訳ができないということです」

 腹はくくっている。酒井の口からは、苦しんだシーズンを振り返るよりも、よほど潔(いさぎよ)く言葉が出てきた。

「どっちに転んでも、今シーズン自分がやってきたことの結果だと思うので、だからこそワールドカップのことはあまり考えないで、チームに集中したいと思う。今季の戦いに対して悔いが残ったまま、ワールドカップメンバー発表当日を迎えるというのはあってはいけないことだと思うし、それだけは避けたいと、いつも思っています」

 まずはチームの1部残留、そしてすっきりした状態でW杯へ。酒井の覚悟はすでに決まっている。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る