香川真司はロッベンと。マンUの守備が持ちこたえた理由 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 一方のバイエルンは盤石のメンバー。FWマンジュキッチ、MFゲッツェ、チアゴを外しても、何ら遜色のない顔ぶれが揃っている。

 前半はあの手この手で攻めてくるバイエルンに対し、マンUは普段のリーグ戦では見られないような集中力で守り切った。特に最近は凡ミスが目立つファーディナンドやビディッチが1対1で負けなかったことが大きかった。右SBでジョーンズが守備的に戦ったこともあり、やられそうでやられない時間帯が続いた。

 マンUにとって前半最大のチャンスは40分。ルーニーからのボールに抜け出したウェルベックが、GKノイヤーとの1対1を外したシーンだ。タイミング的にもウェルベックが有利なシーンだったが、浮かしてループを狙ったシュートは前に出てきたノイヤーの威圧感の前に中途半端なボールとなり、あっさり片手で弾かれた。

 後半に入ると、ギグスに代わって香川が左MFで登場する。攻撃もさることながら、香川は相手の右MFロッベンの突破を、体を張って食い止めていた。そして58分には左CKからビディッチが頭で合わせて先制。下がりながらの難しいヘディングをこの大一番で決めた。

 だがその5分後、バイエルンはFWミュラーに代えてマンジュキッチを投入する。67分の同点弾は、右クロスをそのマンジュキッチが頭で折り返し、走り込んだMFシュバインシュタイガーがボレー気味にシュートしたもの。その後 両チームに得点はなく、1-1で試合は終了した。

 マンUのボール支配率は30パーセント。シュート数はバイエルンの15本に対してマンU6本、枠内シュートもバイエルンの9本に対してマンU5本と、多くの点で下回った。それだけに価値のあるドローだ。

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