好アシストの香川真司。視線はバイエルンとの大一番へ (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 この試合では、香川真司が2014年に入って3度目の先発出場を果たした。ウェストハム戦と同じく左MFに入り、トップにルーニー、トップ下にマタ、右にはヤングが入った。立ち上がりこそぎこちなかったものの、徐々にスムーズにボールが回りだす。FKを直接決められて先制を許したものの、前半20分、左サイドでパスを受けた香川が中央へしかけ、クロスを送り込むとルーニーが頭で合わせて同点にした。

「ゴール前ががら空きだったので。その前にフアン(マタ)がファーに走ったことで(ルーニーが)空いた。いいコンビネーションだったんじゃないかなと思います」(香川)

 会心のアシストだった。続く前半終了間際には、モイーズがわざわざ会見で言及した鋭いスルーパスで相手の裏を突くと、抜け出そうとしたマタが相手に倒されPKを得た。これをルーニーがきっちり決めて逆転に成功する。

「先制されたのはまだまだ課題大だけど、前半のうちに逆転できたのは良かった」と、香川は納得の様子を浮かべた。

 後半に入り、キャリック、ヤヌザイ、エルナンデスを投入。香川はヤヌザイとの交代で68分に退いた。中2日で控えるチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝の相手バイエルンは、ドルトムント時代に香川が4戦4勝と得意にしている相手である。

「大会も自分のチームも違うから、そのことはあまり気にしてないけれど」と、香川は語る。だが指揮官がバイエルン戦での起用を見越して早めに交代させた可能性は少なくない。

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